開催日時 | 2019.12.25 2019.12.26 |
---|---|
開催場所 | 山梨大学 |
定員 | 6 |
【開催目的】
電子スピン共鳴装置(ESR)は不対電子あるいは自由電子を検出する磁気共鳴装置であり、原理はNMRと似ているが、NMRは原子核を観測しているのに対しESRは不対電子(フリーラジカル)を観測対象としている。スペクトルから得られる情報は、不対電子の有無や周辺の環境及び構造、反応速度や反応機構などである。ESRの測定対象となる物質には必ず不対電子が存在しなければならないという条件があるが、実際の適用範囲は幅が広く自然界に分布しているものもあり、物理・化学・医学・薬学・地学など、ほぼ全ての分野で適応が可能である。しかしESRの測定は目的とする観測毎に知識や経験が必要とされるため、本講習会はESRを使い始めた人を対象に、有機系サンプルを用いた活性酸素やフリーラジカルの計測を実施例に、測定ノウハウ及び解析方法を学ぶことを目的として開催する。
山梨大学で開催する理由は、2019年7月、全学共用施設である機器分析センターにJEOL製ESRが導入され共用化のために大学連携研究設備ネットワークに新規登録されたが、導入以前は使用可能なESRがなかったため、測定経験のない技術職員が担当することになったためである。またESRはメーカーによる講習会がほとんど行われず、ESRを管理している技術職員が非常に少ないため、身近で技術を習得する機会が得られにくい。そこでESRを研究に活用している教員から直接指導してもらい、技術を習得し共用化を円滑に進めるために講習会を開催する。
【日時】令和元年12月25日(水)~26日(木)
【場所】山梨大学 機器分析センター 山梨県甲府市武田4-3-11
【参加対象者】大学のESR担当者、技術職員、技術支援員、技術補佐員
【講師】名古屋工業大学 山本勝宏 准教授
【定員】6名 旅費支給有
【対象者】①近隣の大学を優先
②希望者多数の場合は各大学1名まで ※申し込み受付後に事務局より参加可否をご連絡致します。
【申し込み】https://eqnet-study.jp/esr.html
【主催】自然科学研究機構 分子科学研究所(大学連携研究設備ネットワーク)
【講習機器】電子スピン共鳴装置(JEOL製・JES-FA200)
【スケジュール】
1日目
12月25日(水)山梨大学 甲府キャンパス 機器分析センター1階104号室集合
13:00~ 自己紹介、情報共有等
13:15~ 装置立ち上げ、有機系サンプルを用いた活性酸素種とフリーラジカルの計測
スピントラップ剤を使った活性酸素種の同定と定量(溶液系)
ESRスペクトルの解析(定性)
16:30~ 質疑応答
17:00 終了
2日目
12月26日(木)山梨大学 甲府キャンパス 機器分析センター1階104号室集合
9:00~ 有機系サンプルを用いた液体窒素温度での活性酸素種とフリーラジカルの計測
固体系サンプルの計測
13:00~ ESRスペクトル解析(定量)
15:30~ 質疑応答
16:00 終了